熟年離婚で夫の退職金は財産分与の対象?計算方法・請求方法を解説
熟年離婚を検討する際、夫の退職金を財産分与の対象にできるのか気になる方もいるでしょう。
退職金は給与の後払いという性質があり、婚姻期間と勤務期間が重なる部分は、夫婦で形成した財産として財産分与の対象になります。
本記事では、退職金が財産分与の対象となる条件、分与額の計算方法、請求方法や期限について解説します。
退職金が財産分与の対象になる条件
退職金は給与の後払いとしての性質を持つため、婚姻期間中の勤務に対応する部分は財産分与の対象になります。
婚姻前の勤務期間に対応する部分は原則として含まれず、この考え方は退職金をすでに受け取っているか、将来受け取る予定かにかかわらず共通します。
すでに支給された退職金
離婚時点ですでに退職金が支給されているときは、婚姻期間中の勤務に対応する部分を財産分与の対象として考えます。
退職金をほかの預貯金と同じ口座で管理し、一部を生活費などに使っていると、退職金に由来する金額を判別しにくくなります。
支給明細や通帳を確認し、受取額とその後の資金の動きを整理しておくことが重要です。
将来支給される退職金
離婚時点で退職前でも、将来の退職金が財産分与の対象となることがあります。
退職金規程や見込額がわかる資料を確認し、離婚時点での見込額や支給時期を把握します。
退職までの期間が長く支給の確実性が低いときは、対象とするか慎重な判断が必要です。
勤務先に退職金制度がなければ、将来の退職金を財産分与の対象として扱う前提はありません。
財産分与の対象となる退職金額の計算方法
財産分与では、婚姻期間中の勤務によって形成された退職金を算出し、原則として夫婦それぞれ2分の1ずつ分けます。
勤務期間の一部だけが婚姻期間と重なるときは、次の計算式を用いる方法があります。
財産分与額=退職金額×婚姻期間中の勤務年数÷総勤務年数×2分の1
たとえば、退職金額3000万円、総勤務期間30年、婚姻期間中の勤務期間15年とします。
婚姻期間中の退職金は以下の式で計算することができます。
3000万円×15年÷30年=1500万円
上記を2で割ると、夫婦1人あたりの取得分は、750万円であることがわかります。
なお、将来の退職金は、離婚時点で退職したと仮定した金額などを基礎とする方法もあります。
退職金規程で算定方法が定められているときは、その内容を確認したうえで見込額を算出する必要があります。
退職金の財産分与を請求する方法
退職金を財産分与する方法として、夫婦間で話し合う方法と家庭裁判所の手続きを利用する方法があります。
当事者間で話し合う
退職金の財産分与を請求する方法として、まず夫婦間で話し合う方法があります。
夫婦間では、退職金を財産分与の対象に含めるか、どの程度の金額を分けるかについて協議します。
退職金の支給額や見込額がわかる資料を確認し、婚姻期間中の勤務に対応する部分を踏まえて分与額を検討することが大切です。
合意できたときは、後から内容をめぐってトラブルにならないよう、対象となる退職金や分与額、支払時期などを書面に残しておくとよいでしょう。
家庭裁判所の手続きを利用する
退職金の財産分与について夫婦間で合意できないときは、家庭裁判所の手続きを利用して請求できます。
離婚前であれば、離婚調停の中で退職金を含む財産分与について話し合います。
離婚後に財産分与のみを求めるときは、家庭裁判所に財産分与請求調停を申し立てる方法があります。
調停で合意に至らなければ審判へ移行し、退職金が財産分与の対象となるか、分与額をどのように定めるかについて裁判所の判断を求めます。
退職金に関する資料を相手から取得できないときは、家庭裁判所の手続きの中で必要な資料を確認できることもあります。
退職金の財産分与を請求できる期限
退職金を含む財産分与を請求できる期間は、離婚が成立した時期によって異なります。
2026年4月1日以降に離婚したときは、離婚が成立した日から5年以内に財産分与を請求する必要があります。
2026年3月31日以前に離婚したときは、離婚が成立した日から2年以内です。
退職金の支給時期が先でも、財産分与の請求期限が退職時まで延びるわけではありません。
離婚後に退職金の財産分与を求める予定があるときは、離婚成立日を基準に期限を確認しておくことが重要です。
請求期限を過ぎると財産分与を求めることが難しくなるため、離婚後は早めに対応することが大切です。
退職金の支給見込みや対象額の判断に迷うときは、期限を過ぎる前に弁護士へ相談するとよいでしょう。
まとめ
熟年離婚では、退職金のうち婚姻期間中の勤務によって形成された部分が財産分与の対象になります。
すでに支給された退職金だけでなく、将来支給される退職金も、退職時期や支給の確実性を踏まえて対象となることがあります。
分与額は、退職金額と勤務期間、婚姻期間を確認し、婚姻期間中に形成された部分を算出したうえで、原則2分の1ずつ分ける考え方が基本です。
離婚後の財産分与には請求期限もあるため、必要な資料と離婚成立日を早めに確認しておきましょう。
対象額や請求方法の判断に迷うときは、資料を整理したうえで弁護士に相談するとよいでしょう。
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野口 眞寿Masatoshi Noguchi / 第一東京弁護士会
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- 所属団体・資格等
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- 第一東京弁護士会 住宅紛争処理審査会運営委員会 委員会
- 医療問題弁護団
- 公益社団法人 東京青年会議所
- 文京区基本構想推進区民協議会 委員
- 公益財団法人 文京アカデミー 評議員
- 文京区倫理法人会
- 略歴
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2008年 東洋大学法学部 卒業 2011年 東洋大学法科大学院 卒業 2011年 司法試験合格 2012年 弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)
神保町法律事務所 入所
文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任
東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任
公益社団法人東京青年会議所 入会
2013年 初雁総合法律事務所 設立
公益財団法人文京アカデミー 評議員 就任
事務所概要
Office Overview
| 名称 | 初雁総合法律事務所 |
|---|---|
| 資格者氏名 | 野口 眞寿(のぐち まさとし) |
| 所在地 | 〒113-0033 東京都文京区本郷1-4-4 水道橋ビル4F |
| 連絡先 | TEL: 050-3184-3790 |
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