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間接強制が認められるケースとは?

離婚後の養育費の不払いや、子どもの面会交流の拒否など、裁判所で決定したにもかかわらず、相手が義務を履行しない場合に、法的な手段で強制することが必要になります。

この強制執行の方法の1つが間接強制です。

間接強制にはいくつかの要件があるため、執行にはそれらを満たす必要があります。

この記事では、間接強制の概要やどのようなケースで利用されるのか、また執行の要件について解説いたします。

間接強制とは?

間接強制とは、債務者が債務を任意に履行しない場合に、一定の期間内に義務を履行しなければ、裁判所が間接強制金として金銭の支払いを勧告することで、心理的な圧力をかけて義務の履行を促す方法です。

これは、強制執行の1種ですが、債務者の身体や財産に直接介入するのではなく、精神的なプレッシャーを通じて行動を促す間接的な手段です。

金銭の支払いを命じる決定を裁判所が行い、その決定が債務者に通知されます。

直接強制との違い

直接強制とは、裁判所の執行官が債務者の財産や身体に直接介入して義務を実現する強制執行の方法です。

たとえば、金銭債権の回収であれば債務者の預金や不動産を差し押さえる手続き、不動産の明け渡しであれば執行官が強制的に建物の占有を解除する手続きが該当します。

これに対し、間接強制は、直接的に債務を履行させるのではなく、金銭の支払いを義務づけることで、債務者自身に義務を履行するよう促すという点で大きく異なります。

直接強制は代替性のない行為や金銭の支払い以外の義務にも適用されますが、間接強制は心理的圧力が有効な場合に用いられます。

間接強制が認められるケース

間接強制は、債務者による履行が可能であるにもかかわらず、その義務が任意に果たされない場合に有効な手段です。

間接強制が認められるケースには以下のようなものがあります。

離婚後に子どもの引き渡しを求めるとき

離婚後に、親権者が子どもを非親権者に引き渡す義務があるにもかかわらず、その義務を果たさない場合に間接強制が認められます。

家庭裁判所の審判や調停調書などで子どもの引き渡しが決定されているにもかかわらず、子どもを引き渡さない親権者に対して、履行を促すために間接強制金が課されます。

これは、子どもの引き渡しという非代替的な義務の履行を強制するために有効です。

養育費などの金銭の支払いを要求するとき

養育費や慰謝料などの金銭の支払いを要求するときも、間接強制が利用されることがあります。

金銭債権の回収には、預金差し押さえなどの直接強制が主な手段となりますが、継続的な支払いを確実にするために、間接強制が併用されることもあります。

金銭債務を履行しないことに対して心理的な圧力をかける目的があります。

親権者が非親権者の面会交流を拒むとき

面会交流は、非親権者の権利であると同時に、子どもの権利です。

親権者が正当な理由なく、面会交流を拒む場合、家庭裁判所は間接強制の決定を出すことがあります。

親権者に対して、面会交流を拒否するたびに金銭の支払いを命じることで、義務の履行を促します。

面会交流は、非代替的で心理的な側面が強いため、間接強制が有効に機能することが期待されます。

間接強制の要件

間接強制の申立てが認められるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

まず、債務名義が公的に認められている必要がある点です。

債務名義とは、債務者の義務の存在と範囲を公的に証明する文書であり、具体的には以下のようなものがあります。

 

■判決正本

確定判決や仮執行宣言付判決に際して作成されます。

 

■和解調書正本

離婚訴訟において和解などをした際に作成されます。

 

■調停調書

離婚調停で双方が合意に至った際に作成されます。

 

■審判調書

裁判官による審判が確定した際に作成されます。

 

次に、間接強制によって、債務者が義務を履行する見込みがあることも要件となります。

債務者が、債務を履行するのに十分な金銭を持っていない場合、間接執行を行っても金銭の支払いができないためです。

また、履行されない債務(債権)の内容が具体的に決められているかも要件です。

たとえば、面会交流の場合、面会交流の頻度や日時、場所などについての具体的な合意が成されていなければ、間接強制を行うことはできません。

まとめ

間接強制とは、金銭の支払いを命じることで債務者に心理的圧力をかけ、義務の履行を促す強制執行の方法です。

直接強制とは異なり、直接債務を履行するように介入するわけではありません。

子どもの引き渡しや面会交流の拒否、養育費の支払いといったケースで利用されます。

申立てには、確定判決や調停調書などの債務名義が必要です。

間接強制についてお困りの際は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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2008年 東洋大学法学部 卒業
2011年 東洋大学法科大学院 卒業
2011年 司法試験合格
2012年

弁護士登録 第一東京弁護士会(登録番号46872)

神保町法律事務所 入所

文京区 行財政改革区民協議会 委員 就任

東洋大学法科大学院アカデミックアドバイザー 就任

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2013年

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